女40歳、お嫁にもらってもらいます!
しばらくすると大野くんが書類を片手に、私のデスクにやって来た。

「すいません、一度内容を確認して頂けますか。」

あまり表情を崩さない、淡々としたその言い方。

「了解、少し時間をもらいます。」

私はその資料を、パソコンを見ながら受け取った。

「係長。」

珍しくそのまま居残っている大野くん。

「ん?何かあった?」

私は大野くんの顔を見上げた。

うん、仕事をしている時のこの表情、いいな。

そんな思いがちらっとかすめた。

「…、いえ、いいです。」

どうしたんだろう、いつも必要な事はハッキリと話すのに。

「大野、ちょっと。」
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