女40歳、お嫁にもらってもらいます!
開き直った小島くんは少々憎らしい。

「小島くん。」

怖い顔をした西田に睨まれた小島くんは肩をすくめた。

「部長、このコーヒー美味しいですね。いつもありがとうございます。」

私はここで会話を変えた。

「ここのコーヒー、確か山本さんは好きだったよね。」

部長は私だけに分かるようなウインクをした。

こういう気配りは天下一品だ。

「ありがとうございます。」

ニッコリと笑顔でお返しだ。

私は主任と大野くんの視線を感じる。

「山本さんのことなら、自然と覚えてしまうよ。」

部長は勿体ぶった様子でぐるりと見渡した。

「山本さんとはこの中で一番付き合いが長いんだからね。」

< 83 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop