賽の河原で鬼さんこちら
「遊んでいるじゃないか」


「違うよ、塔を積むのに手頃な石はどんなのかなって探してるの」


「水切りをしていると今言ったじゃないか」


「だから、ちゃんと跳ねる石はいい石だから、そういうの見つけられるように水切りしてるの」


何ともよく舌の回る少女だ。

やれやれと思っていると、いつの間にか大鬼の手から逃れた少女が再び石を探して回っていた。

仕方なく大鬼も少女の後を追う。

平らに削られた石を手にし、少女が河へと放り込む。



ぼちゃん。



結果はやはり思うようにはいかない。

なんでかなぁと少女は首を傾げている。
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