賽の河原で鬼さんこちら
少女は何度も何度も石を投げ、大鬼はその様子を眺めながらため息交じりに助言を加える。

大鬼と少女の様子を、周りの子ども等は不思議なものを見つめるような目で見つめていたが、それに加わろうとすることはなく、鬼の居ぬ間にと石を積み続けた。


「お前は飲み込みが悪い」


「教え方が悪いんだよ」


日が傾き始めても、少女と大鬼の水切りは続いた。

静かな賽の河原に、ただ少女の笑い声と大鬼の低い声が響き続ける。
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