賽の河原で鬼さんこちら
「一重積んでは父の為。二重積んでは母の為」
それは大鬼の知っている歌とはまるで違って聞こえ、思わず聞きほれてしまうほどだった。
さながら鳥のさえずりのようであったが、賽の河原から出たことのない大鬼はその歌声を何と例えればよいのかわからなかった。
「ねぇ、続きは?」
「あぁ、続きは」
少女に問われ、大鬼は我に返った。
慌てて続きを歌うと、少女はやはり、「へたくそね」と言った後、
「でも、鬼さんの歌、好きよ」
おかしそうに笑うのだった。
それは大鬼の知っている歌とはまるで違って聞こえ、思わず聞きほれてしまうほどだった。
さながら鳥のさえずりのようであったが、賽の河原から出たことのない大鬼はその歌声を何と例えればよいのかわからなかった。
「ねぇ、続きは?」
「あぁ、続きは」
少女に問われ、大鬼は我に返った。
慌てて続きを歌うと、少女はやはり、「へたくそね」と言った後、
「でも、鬼さんの歌、好きよ」
おかしそうに笑うのだった。