賽の河原で鬼さんこちら
第5章
少女は供養を終えたわけではなかった。

石の塔は相変らず積み上がらないままで、いつも振り回されている大鬼はそのことを知っていた。

どこを探しても少女はいない。

いつものようなかくれんぼの様子でもない。

本当に姿が見えなかった。
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