賽の河原で鬼さんこちら
あの頃とはいつだったか。

大鬼は考える。

無限に続いていたはずの日々だった。

子どもに石を積み上げさせ、そして、自分が崩す。

ただそれだけの、それだけの日々。

何も生まない、死にもしない、無限の。永遠の。

その時の自分を思い出す。

疑問も持たず、自らの仕事がこれなんだと言い聞かせることもなく。

淡々と、過ぎていた日々。
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