賽の河原で鬼さんこちら
やがて周りに誰もいなくなるところまで来ても河原は続いていた。

見慣れぬ景色が続き、崩すべく塔が消えても大鬼は歩き続ける。

あの調子はずれな歌を歌いながら。




どれほど歩いたことだろう、見えてきたのはとてつもなく高い塔だった。



見上げるほどに高いその塔は、全て石で作られていた。

今まで見たことがないほどの立派な塔だった。

見上げていると、塔のてっぺんで何かが動いた。
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