ただ好きなだけ
高校2年生、周りの大人たちから若さを羨まれ、先輩や先生からは「今のうちに遊んどきなよ!」と毎日のように言われ、後輩からは憧れの眼差しを向けられる。
そう、いま私、なんか楽しい時期みたい。
17歳、高校生、青春、平成最後、タピオカ、海、制汗剤、部活。
私にはそんな自覚は一切なく、ただ鬱陶しい暑さのなか汗を流して、早く夏終わらないかなと思いながら生きているだけなのに、それだけなのに、キラキラしたものを押し付けられる。
息苦しいのは、8月の蒸し暑さのせいだけ?
別に私自身がキラキラ特別なわけじゃないことを私は知っている。
私はただ、誰かの理想だった‘‘青春‘‘を背負わされているだけだもん。
17歳じゃなくなったら?
高校を卒業したら?
部活を引退したら?
そこに残るのはただ惰性で生きてる私が残るだけ。
望んでもない付加価値を与えられるのは迷惑だった。
――――ほら、例えばこんな時とか、つくづくそう思うよ。