このお見合い、謹んでお断り申し上げます~旦那様はエリート御曹司~
おまけ*ベッドの中の攻防戦《律side》
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ーーいつもより少し肌寒い朝。
夢から目覚め、まだ頭がぼんやりする中、そっ、と重い目蓋を押し上げる。秋から冬に差し掛かった十月の気候は、寝間着のシャツ一枚では凌げないらしい。ちらり、とベッドサイドの時計に視線を向けるとまだ起きるには早い時間で、外は薄暗いようだ。
今日は、月曜日。週始まりの平日に早起きだなんて、いつも以上に貴重な睡眠時間を浪費してしまったような気分になる。
(…昼食の弁当を作るとしても、あと三十分は寝れるな。)
百合と話し合い、朝食の準備は他の家事と分担して、作っていない方が皿洗いや洗濯をすることにしていた。昨日の夕食は百合が作ってくれたこともあり、今朝は自分が作ろうと、冷蔵庫の中身と献立を素早く照らし合わせて時間を逆算する。
と、その時。ふと、胸元に残る“赤い跡”が目に入った。それが彼女に付けられたキスマークだと気付き、はっ、と動きが止まる。
…いつの間に?全然気が付かなかった。
昨夜も少しだけキスを交わして眠るつもりが、結局それだけでは止まらなくて彼女に無理をさせてしまった。…合意の上であったが、平日の朝は寝かせてやりたい。
(…そういえば、消費期限が近い卵があったな。今日の朝食は百合が好きなフレンチトーストにしよう。)