このお見合い、謹んでお断り申し上げます~旦那様はエリート御曹司~
慌てて弟の口を塞ぐ私。
しかし、ワンコのように素直で正直な紘太は、動揺が抑えきれない。
「ねえちゃん…!ダンナ、二個上じゃなかったのかよ?!アイツ、どう見たって俺の二十個上だよ?!!」
「わ、私だって信じられないわよ!おばあちゃんの話しか聞いてないし、“イケメンで金持ち”としか言ってなかったから…!」
「騙されたんだよ!今流行ってるじゃん、オレオレ詐欺とか…っ!!ばあちゃん、たまにボケてるし、天然だし、ばあちゃんから見たらみんな“若いヤツ”だもん!アイドルとか見分けつかないもん!アレが、ばあちゃんのイケメン基準なんだよ!」
もう、止まらない。
言いたい放題の紘太だが、私だってさすがに“引く”。
嘘でしょう?
私、あんな“オッサン”の嫁になるの?まだ、彼氏さえ出来たことないのに?人生これからだってのに?
(嫌だ…!絶対、嫌だ!!借金が返せるとしても、おばあちゃんに恩返し出来るとしても、オッサンがすごくいい人かも知れなくても、やっぱり無理!!!)