Q.I(きゅうあい)~短気で無垢で、天使な君を~


「柚葉──……」


 笑いすぎて涙さえ滲む目を押さえながら、俺は愛しい愛しい格闘天使ちゃんの名前を呼ぶ。


「な……何よ急に改まって……」

「──柚葉」


 柚葉、柚葉。

 何度でも呼んでやる。

 鬱陶しがられても、生意気扱いされても、ボコボコにされても。


「──…っ、だから、急に改まって何──」


 そのムキになる顔も、つんけんしてるのに時々たまらなく優しい所も。

 たまに見せる笑顔や照れた表情、そして美味しい物を食べてはにかむ所も。

 柄にもなく、女の子らしく恥ずかしがる所も、ぽろぽろと流す涙も。


 全部全部、全部。




「やっぱ俺、お前のこと好きだわ」



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