近くのカフェのイケメン店員を「兄です」って言いたい
「瀧川さん、これどう使うんでしたっけ?」
「ちょっと貸してみ。」
長身イケメンに手を取って仕事を教えてもらうなんて...。学校ではコミュ障、帰宅部で勉強もできない私がこんな理想の『放課後ライフ』...。
「ありがとうございます!」
いくらなんでも、贅沢な時間だ。バチが当たるんじゃないかってくらいの贅沢だ。
「菜月ちゃん、これはここ。前も教えた気がするけど、本当にドジなんだな。」
「すみません。」
もう何回怒られてもいい。こんなバイトなら、時給もいらないくらいだよ。
ありがとう!彩さん!
そういえば...彩さん、大丈夫かな。相当悩んでたけど...。
「瀧川さん、彩さんの家とか知ってますか?」
「知らない、用事あるならわざわざ家まで行かなくてもいいんじゃないか。」
でも連絡先も、
「俺の携帯使えよ。」
「え、いいんですか⁉︎」
だめだ、私こんなの毎日とか耐えられない。