人生の続きを聖女として始めます
「まことに!エルナダは優秀な王子がいて安泰だ!」
「うんうん。レーヴェ殿下は本当に優秀で素直で可愛らしい」
ドレイクとガブリエラも絶賛した。
そして、何故かその後ろからもう一人、誰かの声が聞こえた。
「おい、お前達、前を塞ぐな」
聞き覚えのある声に、レーヴェと2人で顔を見合わせていると、声の主がドレイクとガブリエラを、押し退けるように前に出た。
「どうしてオレより先に出ていくんだ」
獅子王はしかめっ面で、ロシュ達を睨んだ。
「陛下がゆっくり歩くからでしょ?何ですか?ひょっとして緊張してるんですか?」
「はぁっ?緊張だと!?誰がだ!?そんなわけあるか!?」
「へぇ、そうなんですかねー。ま、いいですけど。ほら、陛下もレーヴェ殿下の勇姿をご覧ください!」
ロシュはからかうように言って、獅子王をグイグイ前に押した。
「父上様……あの、御機嫌麗しゅうございます……」
レーヴェはなにやら恐縮したように、親子らしからぬ挨拶をした。
年に数回しか会わないっていうから、緊張しているのかな。
でも、他人行儀すぎない?
「見て下さい、陛下!始めたばかりなのにもう的に当てたんですよ?素晴らしいと思いませんか?」
私は鼻息も荒く獅子王に言った。
その必死さに少し気圧された彼は、少し困った顔で的を見、そして今度はレーヴェを見た。
「……うん。小さいのに頑張っているな。す、すごいと思うぞ」
いい慣れてないのかぎこちない。
でも、その瞬間レーヴェの顔にぱあっと花が咲いた。
「あ、ありがとうございます、父上様!」
頬を恥ずかしそうに赤く染めたレーヴェは、嬉しくて堪らないという顔をしている。
「ふふっ、良かったね。レーヴェ」
「はいっ!お母様!」
見上げるレーヴェの頭を撫でていると、ふと獅子王と目が合った。
いつもしかめっ面をしているのに、この時は父親のようにふわりと優しい顔をしていて、思わず見とれてしまう。
暫くそんな状態が続いて、ガブリエラに声をかけられるまで、私達は見つめ合ったまま動けなかった。
「うんうん。レーヴェ殿下は本当に優秀で素直で可愛らしい」
ドレイクとガブリエラも絶賛した。
そして、何故かその後ろからもう一人、誰かの声が聞こえた。
「おい、お前達、前を塞ぐな」
聞き覚えのある声に、レーヴェと2人で顔を見合わせていると、声の主がドレイクとガブリエラを、押し退けるように前に出た。
「どうしてオレより先に出ていくんだ」
獅子王はしかめっ面で、ロシュ達を睨んだ。
「陛下がゆっくり歩くからでしょ?何ですか?ひょっとして緊張してるんですか?」
「はぁっ?緊張だと!?誰がだ!?そんなわけあるか!?」
「へぇ、そうなんですかねー。ま、いいですけど。ほら、陛下もレーヴェ殿下の勇姿をご覧ください!」
ロシュはからかうように言って、獅子王をグイグイ前に押した。
「父上様……あの、御機嫌麗しゅうございます……」
レーヴェはなにやら恐縮したように、親子らしからぬ挨拶をした。
年に数回しか会わないっていうから、緊張しているのかな。
でも、他人行儀すぎない?
「見て下さい、陛下!始めたばかりなのにもう的に当てたんですよ?素晴らしいと思いませんか?」
私は鼻息も荒く獅子王に言った。
その必死さに少し気圧された彼は、少し困った顔で的を見、そして今度はレーヴェを見た。
「……うん。小さいのに頑張っているな。す、すごいと思うぞ」
いい慣れてないのかぎこちない。
でも、その瞬間レーヴェの顔にぱあっと花が咲いた。
「あ、ありがとうございます、父上様!」
頬を恥ずかしそうに赤く染めたレーヴェは、嬉しくて堪らないという顔をしている。
「ふふっ、良かったね。レーヴェ」
「はいっ!お母様!」
見上げるレーヴェの頭を撫でていると、ふと獅子王と目が合った。
いつもしかめっ面をしているのに、この時は父親のようにふわりと優しい顔をしていて、思わず見とれてしまう。
暫くそんな状態が続いて、ガブリエラに声をかけられるまで、私達は見つめ合ったまま動けなかった。