人生の続きを聖女として始めます
「あ、それで誰が参加するんですか?」

私が気になったのはビクトリアのことだ。
獅子王の妃であるならきっと来るんだろうな、と考えて少し気が重かった。

「私達とジュリ様と殿下。あとは、神殿のリブラとかですかね?」

「あれ?ビクトリアは来ないの?」

私の質問に、周りの空気がピンと張り詰めた。
特に右隣にいた獅子王からは、おかしな気配が漂ってくる。

「………来ませんよ?何故来ると?」

「え?いや、だって、王妃でしょ?」

遠慮しているようなガブリエラに、あっけらかんとして答えると、突然獅子王が声を荒らげた。

「王妃!?違う!」

「違う?昨日あんなにラブラブだったのに?」

つい私も大声を出した。

「ラ、ラブラブ??ってなんだ」

「えー………好きで好きでたまらないってこと?あんなにベッタリだったじゃないですか?大好きなんですよね?」

「そ!それは!だな……違う。とにかく違うんだ」

獅子王は慌てながら、良くわからない弁明をした。
何が違うのか?
昨日この目で見たことが幻だとでも?
思わず熱く反論しかけて……少し冷静になった。
別に王妃でもそうじゃなくても、好きでも嫌いでも、それ、私に関係ないし。
ルリオン陛下が誰と何しようが勝手にやってだわ。
私とレーヴェの邪魔さえしなければね。
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