人生の続きを聖女として始めます
獅子王、ロシュ、ドレイク、ガブリエラが私を注視した。
そんなこと言われても、ねぇ?
一回しか会ったことのない人の行動を推測しろなんてとんだ無茶ぶりよ?
まぁいいか、適当なことを言ってごまかそう。

「そうですね……うーん、まぁ、撹乱したいということは、本拠地?を知られたくないということかな?」

「普通はそうだな」

「なら、本拠地は案外近くにあったりして!王宮の近く?……とか?」

適当だ、適当過ぎる。
これ、笑われて終わりだろうな、と、辺りを窺うと、斜め前に座ったドレイクが突然立ち上がり、ガブリエラは私をガン見し始めた。
獅子王とロシュは顔を見合わせ、次に机の上の地図をかぶりつくように見た。
何よ、突然?
変なこと言った?

「ジュリ様、それは当たりかもしれません」

「当たり??」

立ち上がったままのドレイクの言葉に今度は私が首を傾げた。

「なるほどね、遠くで存在をちらつかせ、追い払っておき、内で作業を進める……密偵を増やせば増やすほど、撹乱されるってことではないか!はぁー……なんでこんなことに気が付かないのだ!!」

ガブリエラは拳でゴンッと膝を叩いた。
うーん、つまり言ったことが当たっていたということかな?

「ガブリエラ、今から泣き言を言っても仕方ない。ここで気付いたことに感謝すべきだ、ジュリ……」
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