人生の続きを聖女として始めます
獅子王は真正面から私を手招きした。
ご褒美でもくれるのかな?と、安易に考えて近付くと、その直後考えられない事態に襲われた!
「聖女よ。感謝する。この恩義をオレが忘れることはない」
なんと獅子王は跪き、私の手を取り口付けた。
この前代未聞(私の中で)の出来事に、軽くパニックを起こし、体がぐらりと後ろに傾いた。
それを慌てて獅子王が支え、スッポリと腕の中に収まってしまう。
これはいつかの既視感(デジャブ)だろうか……。
このシチュエーションも体勢も、あの……レグルスと出会った時と同じだ。
違っているのは彼のタイの色だけ……。
「……大丈夫か?」
「えっ、ええ、はい!すみません。ちょっと驚いてしまって……」
「いや……すまないな……驚かせて……」
そう言った顔が、あの時のレグルスと全く同じで、心臓を掴まれた気がした。
これほど似ているのに……本当に獅子王はレグルスじゃないんだろうか?
「レグルスなの?」って聞いたら「そうだよ」って言ってくれるんじゃないか……。
心は葛藤し続けて、やがて結論を出した。
「もう大丈夫です。ありがとうございます。レーヴェの勉強を見る約束をしているのでこれで下がらせてもらいます……」
「あ………ああ。わかった」
「では、失礼します」
部屋の全員に軽く頭を下げ、部屋を退出した。
ご褒美でもくれるのかな?と、安易に考えて近付くと、その直後考えられない事態に襲われた!
「聖女よ。感謝する。この恩義をオレが忘れることはない」
なんと獅子王は跪き、私の手を取り口付けた。
この前代未聞(私の中で)の出来事に、軽くパニックを起こし、体がぐらりと後ろに傾いた。
それを慌てて獅子王が支え、スッポリと腕の中に収まってしまう。
これはいつかの既視感(デジャブ)だろうか……。
このシチュエーションも体勢も、あの……レグルスと出会った時と同じだ。
違っているのは彼のタイの色だけ……。
「……大丈夫か?」
「えっ、ええ、はい!すみません。ちょっと驚いてしまって……」
「いや……すまないな……驚かせて……」
そう言った顔が、あの時のレグルスと全く同じで、心臓を掴まれた気がした。
これほど似ているのに……本当に獅子王はレグルスじゃないんだろうか?
「レグルスなの?」って聞いたら「そうだよ」って言ってくれるんじゃないか……。
心は葛藤し続けて、やがて結論を出した。
「もう大丈夫です。ありがとうございます。レーヴェの勉強を見る約束をしているのでこれで下がらせてもらいます……」
「あ………ああ。わかった」
「では、失礼します」
部屋の全員に軽く頭を下げ、部屋を退出した。