人生の続きを聖女として始めます
「わからない……それはジュリ様のことですね?」
「…………そうだ」
ガブリエラはオレを椅子に促すと、近くに膝を付き、聞く体勢をとった。
ロシュやドレイクも同様だ。
「オレは予言の聖女など信じてないし、神も信じない。まず、それは言っておく」
3人は頷いた。
「あり得ないことはわかっている。だが……あの女……ジュリを見ると、妻を思い出す………」
言葉に出してみると、その滑稽さに恥ずかしくなった。
怒りの感情だけで駆け抜けてきた男が、妻を思い出して動揺するなど、笑えるじゃないか。
しかも、妻はもう死んでいる。
その妻と聖女がひょっとしたら同一人物ではないかと考えているなんて、狂ったとしか思えない。
「………変なことを言った……冗談だ、忘れてくれ……」
きっと大笑いされるだろうと思いながら、冗談で済まそうとした。
だが、誰も笑わない。
それどころか、怒ったようにロシュが言った。
「遅い」
「あ?」
「気付くのが遅いんだよ」
「………どういうことだ?悪いが、言っている意味が……」
「はぁー……だよな。鈍感な獅子王陛下は鈍くて当たり前か」
ロシュは肩を竦め、ガブリエラはくくっと笑う。
ドレイクも半ば呆れたように笑い、オレの膝をポンポンと叩き言った。
「私たちも獅子王陛下の見解に賛同しておりますよ?」
「…………そうだ」
ガブリエラはオレを椅子に促すと、近くに膝を付き、聞く体勢をとった。
ロシュやドレイクも同様だ。
「オレは予言の聖女など信じてないし、神も信じない。まず、それは言っておく」
3人は頷いた。
「あり得ないことはわかっている。だが……あの女……ジュリを見ると、妻を思い出す………」
言葉に出してみると、その滑稽さに恥ずかしくなった。
怒りの感情だけで駆け抜けてきた男が、妻を思い出して動揺するなど、笑えるじゃないか。
しかも、妻はもう死んでいる。
その妻と聖女がひょっとしたら同一人物ではないかと考えているなんて、狂ったとしか思えない。
「………変なことを言った……冗談だ、忘れてくれ……」
きっと大笑いされるだろうと思いながら、冗談で済まそうとした。
だが、誰も笑わない。
それどころか、怒ったようにロシュが言った。
「遅い」
「あ?」
「気付くのが遅いんだよ」
「………どういうことだ?悪いが、言っている意味が……」
「はぁー……だよな。鈍感な獅子王陛下は鈍くて当たり前か」
ロシュは肩を竦め、ガブリエラはくくっと笑う。
ドレイクも半ば呆れたように笑い、オレの膝をポンポンと叩き言った。
「私たちも獅子王陛下の見解に賛同しておりますよ?」