人生の続きを聖女として始めます
「そうそう、聞きました?大ニュースがあるんですっ!」

「え、知らないけど、なんなの?」

と、無邪気に首を傾げてみた。
そういえば、学校にもこんな子いたわ。
知らないのを知ってて言ってるんだからねー、もう、めんどくさい。
なんてことは顔には一切出さず、にこやかに応対する。

「実は……」

ミーシャは更に近付き、こそこそと悪い密談でもするように囁いた。

「北館のビクトリア様、どうやらご懐妊らしいですわ」

「…………ん?」

「ご懐妊です」

「…………んん??」

「えーっと……ご懐妊?」

「ゴカイニン……それは……」

ちょっと待って?
頭の整理が追い付かない。
ゴカイニン……古くさい言葉だけと、何だか聞いたことはある。
これ……まさか……。

「にんしんっ!?」

「あ、そう!!そうです!そうともいいますね、はい」

「へぇ……それはそれは……あ?あれ?」

言葉の問題はクリアした。
だけど、その内容に関しては……ごめん、ちょっと意味がわからない。

「あのそれって……誰の子?」

「はい?えーと、獅子王陛下です」

「…………そうよね、あはは……」
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