人生の続きを聖女として始めます
「ふふふっ、ありがと。レーヴェ、エスコルピオ。なんだか、大丈夫のような気がする!」

「そうなのですか?……でも、その原因が何か教えて下さい!」

「ええ。私も知りたい。何が原因でジュリ様が悲しまれるのか……」

レーヴェとエスコルピオは私を立たせソファーに座らせると、両脇に陣取った。
でも、その原因、エスコルピオはいいけど、レーヴェに話していいものかどうか迷うわ。
そんな気持ちが顔に出たのか、レーヴェが大人びた表情で言った。

「僕のことを子供だと思わないで下さいね。これでも一国の王子です。覚悟は既に出来ています!」

イケメンすぎてぐうの音も出ない……。
これが俗に言う、トンビが鷹を産むということ?
ぽーっとしかけた私を、エスコルピオが現実に引き戻す。

「殿下は幼く見えますが、しっかりしておられます。それは私が保証致します!」

熱い説得に折れ、原因となったミーシャの噂話を2人にすることにした。

「ビクトリアがね、にん……懐妊だそうよ?」

「は………………はぁ!?」

大声で叫んだのはエスコルピオだ。

「そんなバカな!!それはあり得ない!!」

「どうして?妃だし、無くはないんじゃない?あの夜も部屋に行ったんじゃない?」

「…………それは……私が言うことではありませんが……懐妊は無いと断言出来ます!」

わからない。
どうして断言するの?
そう言える根拠が何なのか、そこがいまいち良くわからない。
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