人生の続きを聖女として始めます
「お母様。それはまだ噂の段階ですから。気になるなら真相を確かめに行ってみては?」

「真相??」

「はい。本人に聞いてみれば良いと」

「ビクトリアに!?」

「父上様と、ビクトリア様、両方にです。どちらか一方だけでは嘘をつかれる可能性がありますから」

レーヴェは至極全うな意見を言った。
恐るべき5歳児……もしかしたら、中身はおじさんなんじゃ……。
そんな私の気持ちを知りもせず、レーヴェはえへへと可愛らしく笑う。

「そ、そうかな、そうだね。うん。ちょっと緊張するけど……」

「私も御一緒します。レーヴェ殿下は北館には行けませんので、リブラ殿に頼みましょう……ですが、まずは昼食をとってから!腹が減ってはなんとやらですから!」

この世界にもその諺あるの!?
そう思った途端、お腹が空いていることに気付いた。
ぐうぅー、となる音はレーヴェやエスコルピオにも聞こえている。
くくっと笑ったエスコルピオが、昼食の準備に取りかかり、レーヴェと私は出来るまで勉強の続きをすることにした。
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