人生の続きを聖女として始めます
「神殿部の医務室へ向かう!!近衛はガブリエラとドレイクに連絡をとれ!」

そう告げるとジュリを抱えて元来た道を疾走した。
すれ違う兵士が、何事かと見て非常事態を知ると、先に走って扉を開ける。
それでも、神殿部までは遠く感じた。
今にも消えていきそうなジュリの呼吸が、オレの恐怖を煽る。
死ぬな!いや、絶対死なせない!
まだ、オレ達は何の話もしていない!

やがて神殿部につくと、報せを一足早く聞いていたリブラが入口で待っていた。

「どういうことです!?これは……」

並走して医務室に走りながら、リブラはジュリの様子を見た。

「きっと何かの毒だ……お前達神官は医術も習得するだろう!?毒の知識はあるか!?」

「多少は。しかし、この状態は見たことないものです!」

「助けろ!!でなければ全員殺す」

「へ、陛下っ!?」

リブラは蒼白になりながらも、医務室の扉を開け、駆けつけたヴィスや神官に指示を出した。
ヴィスがサッとシーツを捲り、白いベッドにジュリを寝かせる。
そしてオレは、ローブを脱がせて手を握った。
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