人生の続きを聖女として始めます
「わかった!行こう!!必ず連れてくると約束する!それまで、なんとかジュリ様を頼む!!」

皆にそれを伝えると、私は近衛兵に馬を準備するよう指示をした。
ロシュとドレイクは直ぐ様神殿部へと駆け出し、ヴィスも後を追う。
だが、エスコルピオはその場を動かない。

「どうした?エスコルピオ」

「ガブリエラ様。私も行きます」

「何故?ジュリ様のお側にいたいのだろう?お前は彼女の………」

「これを……」

エスコルピオは俯いて、スッと右手を差し出した。
そこには、スタンフォードの紋章が刻まれた指輪がある。

「ジュリ様に使った毒です。これをバロンス様に渡したい!」

「私が持って行ってもいいが……」

「いえ、今はジュリ様に合わす顔がない……私は……また……こんな失敗を……」

復讐だけを胸に、狂ったように粛清を繰り返していた男は、消える灯火を掴むように切なく声を震わせた。
その気持ちが私は痛いほどわかる。

「エスコ………デュマ………わかった!共に来い!」

「はっ!!」
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