人生の続きを聖女として始めます
北館で意識を失ってから、暗い暗い闇の中をさまよっていた。
誰もいないし、何も聞こえない。
手探りで出口を探しても、果てしない闇が何処までも広がるだけだった。
時折、微かに声が聞こえた。
「ジュリ………」と私を呼ぶ声。
それは確かにレグルスの声で、思わず反応してしまった。
「レグルス?」
でも、やはり闇に吸い込まれるだけで答えはない。
それからも執拗に誰かが名前を呼んでいる声が聞こえ、思わず深淵に手を伸ばした。
それと同時に、頭上に光が現れる。
光の中からは、楽しい音楽が聞こえ、芳しい香りが漂っている。
私は……ここに来たことがある。
そうだ、ここは天国、極楽そういった名前の場所だ。
光はどんどん大きくなって、私を迎えにやって来る。
眩しさに動けずにいると、闇の中から、懐かしい声がした。
「聖女!!こちらだ!」
闇の中から突然現れた手が、私の腕を掴み引きずり込んだ。
「え!?ちょっと何すんの?天国行けないじゃない!?」
「君の帰るところは天国じゃない!」
暗闇で知っている声が響く。
「………レグルス?レグルスなの?……やっぱり……あなた……死んでたんだ」
「聖女よ。違う。私はルリオン。彼の兄だ」
「ルリオン!?」
「そうだ。レグルスは私の代わりとして王になった。本意ではなかったのに……」
「代わり……では、今の獅子王がレグルス、なのね?あなたが死んだから?」
誰もいないし、何も聞こえない。
手探りで出口を探しても、果てしない闇が何処までも広がるだけだった。
時折、微かに声が聞こえた。
「ジュリ………」と私を呼ぶ声。
それは確かにレグルスの声で、思わず反応してしまった。
「レグルス?」
でも、やはり闇に吸い込まれるだけで答えはない。
それからも執拗に誰かが名前を呼んでいる声が聞こえ、思わず深淵に手を伸ばした。
それと同時に、頭上に光が現れる。
光の中からは、楽しい音楽が聞こえ、芳しい香りが漂っている。
私は……ここに来たことがある。
そうだ、ここは天国、極楽そういった名前の場所だ。
光はどんどん大きくなって、私を迎えにやって来る。
眩しさに動けずにいると、闇の中から、懐かしい声がした。
「聖女!!こちらだ!」
闇の中から突然現れた手が、私の腕を掴み引きずり込んだ。
「え!?ちょっと何すんの?天国行けないじゃない!?」
「君の帰るところは天国じゃない!」
暗闇で知っている声が響く。
「………レグルス?レグルスなの?……やっぱり……あなた……死んでたんだ」
「聖女よ。違う。私はルリオン。彼の兄だ」
「ルリオン!?」
「そうだ。レグルスは私の代わりとして王になった。本意ではなかったのに……」
「代わり……では、今の獅子王がレグルス、なのね?あなたが死んだから?」