人生の続きを聖女として始めます
「あれ?今日何か行事があったかな?」
独り言を呟き、目の前の扉に近寄ると、中の様子を伺うために耳を澄ます。
中は静かで誰の声も聞こえない。
その静けさは逆に私の好奇心を煽った。
開けてみようか?覗くだけなら、誰にも気づかれないよね?
私は激しく鳴る鐘の音に急かされるようにして、つい扉を開けてしまった。
扉は音もなく開いた。
私はほんの2センチほど扉を開けたまま、中の様子を窺った。
聖堂内には、人の気配が全くない。
キョロキョロと目を泳がせると、祭壇と座席の中央にキラキラと輝くものが見え思わず声をあげた。
「なんだろ……すごくキレイ……」
その輝くものの正体を探るため視線を滑らせると、やがてあるものに行き当たった。
……なるほど、上部のステンドグラスの光が差し込んでいるせいで、こんな幻想的な光景を見せてるのか。
私の足は誘われるように祭壇へ向かった。
光は祭壇中央に集まって、七色の光を放ちながら不思議な紋章を写し出している。
……もっと近くで見たい。
そう思い、紋章の中央まで行く。
すると、さっきまで激しく鳴っていた鐘の音が突然止んだ。
「どうして……誰かが止め……」
その言葉が終わりきる前に、床に写っていた光の紋章が私の体を包み込んだ。
あまりの眩しさに目を細め、天を仰ぐと、今度は降り注ぐ光が私をくるむように覆い被さってくる。
「やだ……まぶしい……これ何!?」
《ど………か、我が………い……下さ………》
「誰??何を言ってるの?」
光の中で、私は誰かの声を聞いた。
それは必死に願う誰かの切なる願いのような。
絶望の中でもがく悲鳴のような。
そんな声だった。
独り言を呟き、目の前の扉に近寄ると、中の様子を伺うために耳を澄ます。
中は静かで誰の声も聞こえない。
その静けさは逆に私の好奇心を煽った。
開けてみようか?覗くだけなら、誰にも気づかれないよね?
私は激しく鳴る鐘の音に急かされるようにして、つい扉を開けてしまった。
扉は音もなく開いた。
私はほんの2センチほど扉を開けたまま、中の様子を窺った。
聖堂内には、人の気配が全くない。
キョロキョロと目を泳がせると、祭壇と座席の中央にキラキラと輝くものが見え思わず声をあげた。
「なんだろ……すごくキレイ……」
その輝くものの正体を探るため視線を滑らせると、やがてあるものに行き当たった。
……なるほど、上部のステンドグラスの光が差し込んでいるせいで、こんな幻想的な光景を見せてるのか。
私の足は誘われるように祭壇へ向かった。
光は祭壇中央に集まって、七色の光を放ちながら不思議な紋章を写し出している。
……もっと近くで見たい。
そう思い、紋章の中央まで行く。
すると、さっきまで激しく鳴っていた鐘の音が突然止んだ。
「どうして……誰かが止め……」
その言葉が終わりきる前に、床に写っていた光の紋章が私の体を包み込んだ。
あまりの眩しさに目を細め、天を仰ぐと、今度は降り注ぐ光が私をくるむように覆い被さってくる。
「やだ……まぶしい……これ何!?」
《ど………か、我が………い……下さ………》
「誰??何を言ってるの?」
光の中で、私は誰かの声を聞いた。
それは必死に願う誰かの切なる願いのような。
絶望の中でもがく悲鳴のような。
そんな声だった。