人生の続きを聖女として始めます
「ようございましたな……」
落ち着いた声が、獅子王の後ろから聞こえる。
視線を滑らせて見ると、そこには初老のインテリそうな男がいた。
隣にはガブリエラ、リブラ、ロシュとドレイクもいる。
「バロンス。礼を言う」
獅子王は頭を下げた。
「いえ、これで私も長年の胸のつかえが取れました……今度はお救い出来たのですから……」
バロンスと呼ばれた男は、私を見て微笑んだ。
そうか。この人が私を助けてくれたんだ。
「あの……どうもありがとう。助けてもらったようで……」
「御無事で良かった。貴女は生きねばならぬ方。陛下と殿下に必要な方だ」
「は、はぁ……」
曖昧に返事をしたけど、このバロンスという人は、どういった人だろう?
まるでレグルスとレーヴェとマデリンのことを知っているようだし、私がマデリンだってこともわかっているような……。
「不思議そうな顔をなさっておられる。初対面ではありますが、私は貴女を存じております……ただ、生きてお会いすること叶いませんでしたが……」
バロンスは顔を曇らせて獅子王を見た。
「そうか……ガブリエラから聞いたのか……では……ここで知らないのはリブラだけ、ということになるな」
「は?え?一体何の話です?」
獅子王の言葉にリブラは大きな目をパチパチさせた。
「後でガブリエラから聞くといい。今は大事な話があるんだ。ジュリとな……2人きりにしてくれるか?」
落ち着いた声が、獅子王の後ろから聞こえる。
視線を滑らせて見ると、そこには初老のインテリそうな男がいた。
隣にはガブリエラ、リブラ、ロシュとドレイクもいる。
「バロンス。礼を言う」
獅子王は頭を下げた。
「いえ、これで私も長年の胸のつかえが取れました……今度はお救い出来たのですから……」
バロンスと呼ばれた男は、私を見て微笑んだ。
そうか。この人が私を助けてくれたんだ。
「あの……どうもありがとう。助けてもらったようで……」
「御無事で良かった。貴女は生きねばならぬ方。陛下と殿下に必要な方だ」
「は、はぁ……」
曖昧に返事をしたけど、このバロンスという人は、どういった人だろう?
まるでレグルスとレーヴェとマデリンのことを知っているようだし、私がマデリンだってこともわかっているような……。
「不思議そうな顔をなさっておられる。初対面ではありますが、私は貴女を存じております……ただ、生きてお会いすること叶いませんでしたが……」
バロンスは顔を曇らせて獅子王を見た。
「そうか……ガブリエラから聞いたのか……では……ここで知らないのはリブラだけ、ということになるな」
「は?え?一体何の話です?」
獅子王の言葉にリブラは大きな目をパチパチさせた。
「後でガブリエラから聞くといい。今は大事な話があるんだ。ジュリとな……2人きりにしてくれるか?」