人生の続きを聖女として始めます
「陛下!生存者がいます!」
屋敷の消火をしていた兵が走って報告に来たが、オレは顔を上げなかった。
マデリンを離したくなかったし、誰の声も聞きたくなかった。
そんなオレの代わりに、バロンスが兵の報告に答えた。
「生存者!?どこだ?」
「こちらに運んでおります。酷い火傷をおった男と、赤ん坊のようですが」
「赤ん坊!?」
バロンスと兵の会話が不意に頭の中に流れ込んできた。
………そうだ!赤ん坊!それは……レーヴェではないのか!!
「バロンス、その者を確かめたい!!」
「はい、陛下!……あ、来たようです」
バロンスの指差す方を見ると、神殿兵に担がれた満身創痍の男がヨロヨロと歩いてくるところだった。
その腕にはしっかりと赤ん坊が抱かれ、小さな鳴き声を上げている。
「デュマ!!ああ、レーヴェも!!」
オレの存在を確かめたデュマは、顔を歪めて崩れ落ちた。
「も、申し訳……ありま、せん……」
その声は火事の熱にやられたのかしゃがれている。
「何をいう……レーヴェを守ってくれたのだろう……」
「はい。一度刺され……意識を失いましたが……火をかけられた後目覚め、レーヴェ様を……お、追いかけて、やつらを……仕留めました……黒ずくめの男達です……」
デュマはレーヴェを大切そうにオレに渡すと、マデリンとランドルを見て、頭を抱えて泣き始めた。
屋敷の消火をしていた兵が走って報告に来たが、オレは顔を上げなかった。
マデリンを離したくなかったし、誰の声も聞きたくなかった。
そんなオレの代わりに、バロンスが兵の報告に答えた。
「生存者!?どこだ?」
「こちらに運んでおります。酷い火傷をおった男と、赤ん坊のようですが」
「赤ん坊!?」
バロンスと兵の会話が不意に頭の中に流れ込んできた。
………そうだ!赤ん坊!それは……レーヴェではないのか!!
「バロンス、その者を確かめたい!!」
「はい、陛下!……あ、来たようです」
バロンスの指差す方を見ると、神殿兵に担がれた満身創痍の男がヨロヨロと歩いてくるところだった。
その腕にはしっかりと赤ん坊が抱かれ、小さな鳴き声を上げている。
「デュマ!!ああ、レーヴェも!!」
オレの存在を確かめたデュマは、顔を歪めて崩れ落ちた。
「も、申し訳……ありま、せん……」
その声は火事の熱にやられたのかしゃがれている。
「何をいう……レーヴェを守ってくれたのだろう……」
「はい。一度刺され……意識を失いましたが……火をかけられた後目覚め、レーヴェ様を……お、追いかけて、やつらを……仕留めました……黒ずくめの男達です……」
デュマはレーヴェを大切そうにオレに渡すと、マデリンとランドルを見て、頭を抱えて泣き始めた。