人生の続きを聖女として始めます
「ジュリ様、我らのことは覚えていますか?」

今度はドレイクが寝台に歩み寄ってきた。
ロシュもその横にいる。

「もちろん。一目でわかりました!」

「え!?じゃあなんで言ってくれなかったんだよ?手間が省けたのに!」

ロシュが拗ねたように言う。
確かに、手間は省けたかもしれないけど、こちらにはこちらの事情があるのっ!

「だって信じてもらえないと思ったから。転生して、転移して?外見は違うけどマデリンでした……なんて、突然言われて信じる?」

「あ………うん、それは、そうか……」

納得するロシュの側でドレイクも頷く。

「それに、囚人だった人が将軍や参謀になってるのもわけがわからなかったし、獅子王は敵だと思ったし……」

「うっ………すまない……それは、本当にすまないと思う」

敵だと言われ、レグルスは頭を抱えた。

「それ謝ってすむのか?エスコルピオに聖女の暗殺を命じたよな?」

ロシュの軽い冗談かと思って笑った私は、周りが全く笑ってないことに気付いた。
言ったロシュも、ヤバい!という表情をしている。
あれ?もしかして?
エスコルピオの暗殺未遂の件。
命じたのは…………。

「レグルス?」

私は隣で踞る男を見た。
さっきまで、ロシュを見ていた周りの者も全員がレグルスを見ている。

「聖女が邪魔だから殺そうとしたの?エスコルピオが思い止まらなかったら、今頃死んでたわね」

「………自分の愚かさが嫌になる。復讐心しかなかったからな。まさか君だとは知らなかったし……」

「それ、言い訳ですか?」

「……どうしたらいいだろうか?その件に関してはどんなに謝っても許されない気がしているんだが」
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