人生の続きを聖女として始めます
医務室で動かない生活が始まってから、私は……太った。
療養中レグルスは、暇があればやってきてやたらと甘いものを勧めるし、勉強の合間に顔を見せるレーヴェは、お茶をここで飲むのを習慣化した。
大量のお菓子とミルクティのダブルコンボ。
それは私の体重を著しく増加させた!
動けるようになったら、めちゃくちゃ走り込まないと、タプついたお肉がとれそうにない……。

そして心配性のエスコルピオは、昼間レーヴェに付いて来て、更に真夜中、こっそり様子を見に来る。
一度夜中に目を覚ました時、慌てて寝台の下に体を隠したけど……頭が……見えていたよ?
知らんぷりして、追及しなかった私を褒めて欲しい……。

ロシュやドレイクもチェス盤を持って現れ、退屈な時間を紛らわせてくれた。
もちろん、ロシュには全勝したわよ?
ドレイクには全敗したけど。
ガブリエラとバロンスも私の話相手になってくれていたし、リブラとヴィスの迷コンビは相変わらずちょこまかと世話を焼いてくれた。

そんな皆の気遣いもあって、毒矢事件から一週間が経った頃、神殿部医務室から南館の自室へと帰る許可が出た。
毒の影響か、微かに痺れの残っていた足の症状も、バロンスの薬湯のお陰ですっかり消えている。
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