人生の続きを聖女として始めます
ルリオン……ルリオン?
マデリンだった時も、確かルリオン王だった。
どういうことだろう。
私が死んでからそんなに時間が経ってないのか、もしかしたら、巻き戻されたとか……。
とにかく聞いてみないことには何もわからない。
私はリブラの胸倉を放すと、あることを尋ねた。

「今、エルナダ暦何年?」

「え!聖女様、エルナダ暦を、ご存じなのですか!?」

「うっ!………うん。聖女はなんでも知っているのです!」

ついごまかしてしまったけど、 問題はないわね。
これからもこの手は使えそう。

「おおーー!!さすがでございますね!今はエルナダ暦、1025年です」

1025年。
あの悲劇が起こったのは、1020年。
つまりあれから5年は経っている。
でも、王が健在でいるということは、ラ・ロイエから去った彼はどうなったのか。
そして、レーヴェはあれから……。

「あの、聖女様?」

酷く難しい顔で腕を組む私を、リブラは心配そうに覗き込んだ。

「やはり場所を移しましょう。お茶でも飲みながらこの国の状況を説明させて下さい」

「…………そうね」

体の緊張を解き、ふっと息を吐くと、少し気持ちが落ち着いた。
今の私にはわからないことが多すぎる。
レーヴェやソーントン子爵家のその後……そして、一連の悲劇の中心にいるあの人……レグルスについて。
もう少し良く知る必要があるわ。
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