人生の続きを聖女として始めます
「それは……その……訳があって……」
一生懸命言い訳を考えてみるけど、どうにもうまく伝える自信がない。
困って俯くと、頭のすぐ上から低い声が聞こえた。
「5年が経った……あれから5年だ……オレの中では昨日のことのようだが……」
絞り出すように語るレグルスの声に、思わず聞き入ってしまう。
その声は切ない響きを含んでいた。
「何度も君が帰ってこないかと考えた。例えば……カエルやムカデでもいいから生まれ変わって、側にいて欲しいと思ったほどだ……」
カエルはまだいいけど、ムカデはどうかと思う……なんて冗談を考えていないと、胸のドキドキが治まらない。
そんな私の気持ちなんて考えもせず、レグルスは話を続けた。
「だから、避けないで欲しい。オレはもう、君が好きだった男とは変わってしまったかもしれないけど……オレは君が君であるならどんな存在でも好きだ」
ああ、敵わないな……。
咄嗟に浮かんだのはその言葉だった。
考えていることがバレバレなのは、私が分かりやすいのか、レグルスの勘が良すぎるのか。
私の悩みに対する答えはもう用意されていたんだ。
一生懸命言い訳を考えてみるけど、どうにもうまく伝える自信がない。
困って俯くと、頭のすぐ上から低い声が聞こえた。
「5年が経った……あれから5年だ……オレの中では昨日のことのようだが……」
絞り出すように語るレグルスの声に、思わず聞き入ってしまう。
その声は切ない響きを含んでいた。
「何度も君が帰ってこないかと考えた。例えば……カエルやムカデでもいいから生まれ変わって、側にいて欲しいと思ったほどだ……」
カエルはまだいいけど、ムカデはどうかと思う……なんて冗談を考えていないと、胸のドキドキが治まらない。
そんな私の気持ちなんて考えもせず、レグルスは話を続けた。
「だから、避けないで欲しい。オレはもう、君が好きだった男とは変わってしまったかもしれないけど……オレは君が君であるならどんな存在でも好きだ」
ああ、敵わないな……。
咄嗟に浮かんだのはその言葉だった。
考えていることがバレバレなのは、私が分かりやすいのか、レグルスの勘が良すぎるのか。
私の悩みに対する答えはもう用意されていたんだ。