人生の続きを聖女として始めます
「わかりました。では、一定の距離を保ち監視を続けます。ですが、陛下。迎え撃つと言っても、奴らがどのようにして攻めてくるかわかりませんし現時点では対処の方法が……」

確かにね。
北の神殿を本拠地にしてても、その人数も何もわかってないし、ましてや何処からどんな風に王宮へ………ん?
そう言えばスカイダイビング……じゃなかった臨死体験中に北側の神殿付近で見たよね!?
黒ずくめの人間のバケツリレー。
あれがバートラムの手下だとすると……何してた?
地下から土とか岩とかを運び出してたように見えたけど。

「あのー……………」

これは言っておかなければならない。
と、私の勘が告げている!!

「どうした?ジュリ?」

レグルスは表情を緩め、真向かいから問いかけた。

「うん、あのね?神殿付近に地下ってある?」

「地下…………さぁ………バロンスどうだ?」

「………ああ。はい。昔地下墓地として使っていた所がありました。ですが、確か50年前くらいに埋められて今は使われておりません」

バロンスは執務室にある山のような地図の中から、今はもう使われていない古地図を取り出した。
そして、軽く被っていた埃にフッと息を吹き掛け、王宮近景の地図の上に置く。

「この神殿のちょうど前、そこに地下墓地があります。地下墓地からは王宮の地下牢へと繋がる隠し通路が……」

説明の途中でバロンスは一瞬黙りこみ、次に独り言を連発した。

「は………いや………そこは、もう土砂で埋めたはず……まさか、それを?そんな手間を?なんと………」

「バロンス!?おい!何だ!」

レグルスが怒鳴る。
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