人生の続きを聖女として始めます
「待てっ!!一体どこに逃げるつもりだ!!」
追いかけようとするオレやエルナダ兵をスタンフォードのやつらが食い止める。
それこそ必死の攻勢に、一時我が軍が圧されたほどだ。
しかし、数と技量の圧倒的な差はすぐに表れ、決死の覚悟のスタンフォード勢はやがて一人残らず倒された。
「バートラムとビクトリアはどこに?」
兵とロシュの後ろから牢に入ると、壁に人一人が通れる亀裂が開いていた。
「全く。抜け目がないのは知っているが、逃げることにかけては天才的だな」
呆れて言うと、後ろからやって来たバロンスも肩を竦めた。
「周りを蹴落とすことで地位を得てきたヤツです。用意周到なのは認めますが、それが過ぎると命取り、というのを今日思い知るでしょうね」
ロシュとドレイクは頷いた。
北の神殿からの地下通路だけを逃走経路にしないことくらいわかっていた。
外に逃げ道を作れないなら、地下にしか作れないことも。
あれだけ時間があったのだ。
人一人通る道を、作ることくらい出来たはず。
推測して一つのルートに絞りこんだ。
地下牢の真裏から大神殿地下に抜けるルートだ。
大神殿地下から地上へ上がると、南館の中庭に出る。
地下牢と北の教会に兵を割いている今の状況では南門は手薄になるだろう。
きっとヤツはそう考える。
そんなおいしい物件をバートラムが見逃すはずはない、全員がそう考えたのだ。
「追い込みは成功だ。最後の仕上げに向かうとしようか」
「御意。バートラムの吠え面、拝んでやりましょう!!」
と、ドレイクは笑いロシュを見た。
ロシュは大きな剣を肩に担ぐと、ドレイクと拳を合わせる。
それを穏やかな笑みで見つめるバロンスは、少し涙目だ。
「おい、皆、まだ早いぞ?ここからが大事なんだから気を引き締めろ」
そう戒めると、急いで南館へと向かった。
追いかけようとするオレやエルナダ兵をスタンフォードのやつらが食い止める。
それこそ必死の攻勢に、一時我が軍が圧されたほどだ。
しかし、数と技量の圧倒的な差はすぐに表れ、決死の覚悟のスタンフォード勢はやがて一人残らず倒された。
「バートラムとビクトリアはどこに?」
兵とロシュの後ろから牢に入ると、壁に人一人が通れる亀裂が開いていた。
「全く。抜け目がないのは知っているが、逃げることにかけては天才的だな」
呆れて言うと、後ろからやって来たバロンスも肩を竦めた。
「周りを蹴落とすことで地位を得てきたヤツです。用意周到なのは認めますが、それが過ぎると命取り、というのを今日思い知るでしょうね」
ロシュとドレイクは頷いた。
北の神殿からの地下通路だけを逃走経路にしないことくらいわかっていた。
外に逃げ道を作れないなら、地下にしか作れないことも。
あれだけ時間があったのだ。
人一人通る道を、作ることくらい出来たはず。
推測して一つのルートに絞りこんだ。
地下牢の真裏から大神殿地下に抜けるルートだ。
大神殿地下から地上へ上がると、南館の中庭に出る。
地下牢と北の教会に兵を割いている今の状況では南門は手薄になるだろう。
きっとヤツはそう考える。
そんなおいしい物件をバートラムが見逃すはずはない、全員がそう考えたのだ。
「追い込みは成功だ。最後の仕上げに向かうとしようか」
「御意。バートラムの吠え面、拝んでやりましょう!!」
と、ドレイクは笑いロシュを見た。
ロシュは大きな剣を肩に担ぐと、ドレイクと拳を合わせる。
それを穏やかな笑みで見つめるバロンスは、少し涙目だ。
「おい、皆、まだ早いぞ?ここからが大事なんだから気を引き締めろ」
そう戒めると、急いで南館へと向かった。