人生の続きを聖女として始めます
そう言えば……何で亜果利はここに来たのか?
彼女の目的をまだ聞いてなかった。
まさか、ネタバレをするためだけにこんな派手な登場をするわけないしね?
え……実はそうなのかな?
心配そうなレーヴェ、身を固くするエスコルピオ、やっぱり状況が良くわかってないリブラと私と神官達。
このカオスな雰囲気に、亜果利は思わずプッと吹き出した。
そして、少し言いにくそうに話し始めた。

「えっと……うん。当初の目的はさ……樹里に選択をしてもらうためだったんだよ」

「選択??」

ぽかんとした私を見て、亜果利はさっと口を押さえた、が!プククと笑いが漏れている。
笑っている……。
そんなにおかしいか?この顔!?

「プッ……うん。エルナダを救った後どちらの世界でも選べるように迎えに来ることになってたんだ」

「そっ、そんなことがっ!?」

リブラが驚いて腰を抜かした。
まぁ、そうだろうね。
決死の百日祈願をして聖女を呼んだのに、あっさり迎えが来るだなんて。
私もビックリですよ。
それに帰れるなんて思ってなかったし……。

「お母様……」

「お嬢様……」

見るとレーヴェとエスコルピオが心配そうにこちらを見ていた。
レーヴェは手を離すまいときつく握り絞め、泣きそうになっている。
そんな2人に声をかけようとしたその時。
俄に大神殿の外が騒がしくなった。
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