人生の続きを聖女として始めます
「やっぱり……帰らない。ここで生きたい!」
レグルスの横に並び、私は亜果利と向き合った。
「うん、知ってた……でも、少し寂しいな」
儚い亜果利の笑顔に、涙が出そうになる。
寂しい……それは同じ思いだから。
「私も、亜果利と会えなくなるのは……寂しいよ……」
「ふふっ。私達いいコンビだったもんね?私さ、樹里のこと守る為だけに側にいたんじゃないよ?」
「……そうなの?」
「……単純に好きだったからだよ」
亜果利は一瞬真顔になった後、すぐにいつもの笑顔になった。
釣られて私も笑顔になる。
そうだ……彼女はいつだって、私を笑顔にしてくれてた。
落ち込んだ時、悪夢を見た時、気づけばどの場面にも亜果利がいた。
「……私、あなたにずっと助けられてた。ここで別れても……ずっと親友だからね。最後にもう一度言わせて?……亜果利、ありがとう!」
「うん……樹里……幸せに、ね。向こうのことは任せといてよ。心配いらないから……」
そう言って手を伸ばす亜果利に、私も手を伸ばす。
だけど、紋章の光は徐々に亜果利の姿を飲み込んでいった。
もうタイムリミットなんだ。
私が最後の決断をしたから、扉が閉じようとしているのかもしれない。
「王様!樹里を頼んだよ!」
光の粒子が渦を巻く刹那、亜果利がレグルスに向かって叫んだ。
「任せておけ!!」
間髪入れずレグルスも叫んだ。
それと同時に光は消え、亜果利の姿も消えた。
状況を理解していないと思っていたレグルスは、亜果利と私の関係を説明されなくても気付いていた。
虚空に伸ばしたままの私の手は、彼の手に包み込まれゆっくりと下げられた。
「大丈夫か?」
「うん。大丈夫。不思議ともう会えないなんて思えなくて……」
「そうだな。どこかでまた会えるかもしれない。オレ達が出会えたように」
私達4人は天井の紋章を見上げた。
これはもう、輝きを放つことはないのかもしれない。
扉も完全に閉じられたのかもしれない。
でも信じていたい。
ラシャーク・フィオーナがうっかりどこかの神殿や洞窟に他の扉を作ってて、そこから見知らぬ世界の誰かがやってくる。
それが亜果利だったら……なんてファンタジーを。
レグルスの横に並び、私は亜果利と向き合った。
「うん、知ってた……でも、少し寂しいな」
儚い亜果利の笑顔に、涙が出そうになる。
寂しい……それは同じ思いだから。
「私も、亜果利と会えなくなるのは……寂しいよ……」
「ふふっ。私達いいコンビだったもんね?私さ、樹里のこと守る為だけに側にいたんじゃないよ?」
「……そうなの?」
「……単純に好きだったからだよ」
亜果利は一瞬真顔になった後、すぐにいつもの笑顔になった。
釣られて私も笑顔になる。
そうだ……彼女はいつだって、私を笑顔にしてくれてた。
落ち込んだ時、悪夢を見た時、気づけばどの場面にも亜果利がいた。
「……私、あなたにずっと助けられてた。ここで別れても……ずっと親友だからね。最後にもう一度言わせて?……亜果利、ありがとう!」
「うん……樹里……幸せに、ね。向こうのことは任せといてよ。心配いらないから……」
そう言って手を伸ばす亜果利に、私も手を伸ばす。
だけど、紋章の光は徐々に亜果利の姿を飲み込んでいった。
もうタイムリミットなんだ。
私が最後の決断をしたから、扉が閉じようとしているのかもしれない。
「王様!樹里を頼んだよ!」
光の粒子が渦を巻く刹那、亜果利がレグルスに向かって叫んだ。
「任せておけ!!」
間髪入れずレグルスも叫んだ。
それと同時に光は消え、亜果利の姿も消えた。
状況を理解していないと思っていたレグルスは、亜果利と私の関係を説明されなくても気付いていた。
虚空に伸ばしたままの私の手は、彼の手に包み込まれゆっくりと下げられた。
「大丈夫か?」
「うん。大丈夫。不思議ともう会えないなんて思えなくて……」
「そうだな。どこかでまた会えるかもしれない。オレ達が出会えたように」
私達4人は天井の紋章を見上げた。
これはもう、輝きを放つことはないのかもしれない。
扉も完全に閉じられたのかもしれない。
でも信じていたい。
ラシャーク・フィオーナがうっかりどこかの神殿や洞窟に他の扉を作ってて、そこから見知らぬ世界の誰かがやってくる。
それが亜果利だったら……なんてファンタジーを。