人生の続きを聖女として始めます
ルリオンの墓から北へ向かって暫く歩くと、白い小さな楕円の石が2つ並んで立っていた。
この墓石にも名前がなかったけど、それが父ランドルとマデリンのものだとすぐにわかった。
墓石は綺麗に磨かれて、可愛い花が供えられており、誰かが頻繁に来ていたのを窺わせる。
供えられた花はデイジー。
それは、マデリン(私)が大好きな花だった。
「エスコルピオ……あなたね?」
振り返ると、エスコルピオは目を逸らした。
照れている……鉄仮面の下の口元が緩んでいるからバレバレよ?
「ふふっ。花なんて似合わないから恥ずかしい、とか思ってるでしょ?」
「いえ……あ……はい」
エスコルピオは更に顔を伏せ頭を掻いた。
その様子を見て、レーヴェがくすくすと可愛く笑い、レグルスも相好を崩す。
「そんなことないのに……エスコルピオは優しいね。ありがとう」
「もったいないお言葉……私は……旦那様に拾われて、お嬢様の成長に携わり、更にはレーヴェ殿下にもお仕えすることが出来ました。これほどの幸せがありましょうか!?御二人は私の命、生きる希望です。これからもずっと……御守り致します」
今度は真っ直ぐ顔を上げ、少し潤んだ目のエスコルピオは私達の前に跪いた。
「うん。宜しくお願いします」
「エスコルピオ!僕からもお礼を言わせて!お母様とお祖父様のお墓を綺麗にしてくれてありがとう。次は僕も手伝うから、一緒に行こうね?」
「殿下……」
鉄仮面はブンッと顔を逸らし、必死で涙を堪えている。
泣いてることを認めたくないんでしょうけど、こうなったらもう完全なる泣き上戸よね。
この墓石にも名前がなかったけど、それが父ランドルとマデリンのものだとすぐにわかった。
墓石は綺麗に磨かれて、可愛い花が供えられており、誰かが頻繁に来ていたのを窺わせる。
供えられた花はデイジー。
それは、マデリン(私)が大好きな花だった。
「エスコルピオ……あなたね?」
振り返ると、エスコルピオは目を逸らした。
照れている……鉄仮面の下の口元が緩んでいるからバレバレよ?
「ふふっ。花なんて似合わないから恥ずかしい、とか思ってるでしょ?」
「いえ……あ……はい」
エスコルピオは更に顔を伏せ頭を掻いた。
その様子を見て、レーヴェがくすくすと可愛く笑い、レグルスも相好を崩す。
「そんなことないのに……エスコルピオは優しいね。ありがとう」
「もったいないお言葉……私は……旦那様に拾われて、お嬢様の成長に携わり、更にはレーヴェ殿下にもお仕えすることが出来ました。これほどの幸せがありましょうか!?御二人は私の命、生きる希望です。これからもずっと……御守り致します」
今度は真っ直ぐ顔を上げ、少し潤んだ目のエスコルピオは私達の前に跪いた。
「うん。宜しくお願いします」
「エスコルピオ!僕からもお礼を言わせて!お母様とお祖父様のお墓を綺麗にしてくれてありがとう。次は僕も手伝うから、一緒に行こうね?」
「殿下……」
鉄仮面はブンッと顔を逸らし、必死で涙を堪えている。
泣いてることを認めたくないんでしょうけど、こうなったらもう完全なる泣き上戸よね。