人生の続きを聖女として始めます
「あ、そうだ、ねぇ、リブラ?ジュリ様はどこに住むの?」

レーヴェはハッと思い出したようにリブラに尋ねた。

「あ、そうですね……まだ陛下からの返答がありませんので、取り敢えずこの寄宿舎の方にと考えておりますが……」

「ダメだよ。ここは僕の部屋からすぐに来れないじゃないか……そうだ!お隣の部屋を用意して貰おう!ね?それでいいでしょ?」

「いけませんよ。まだ良く素性もわからない者をそんな近くに……」

可愛らしくおねだりをするレーヴェにエスコルピオは穏やかに諭した。
だけど、それにまたレーヴェが反論する。

「エスコルピオ!素性がわからないって何?聖女様に失礼だぞ!」

エスコルピオの背後では、リブラとヴィスがもっとやれ!言ってやれ!と言わんばかりにレーヴェにエールを送っている。
いつも恐くて何も言えないから、ここぞとばかりにやっつけたいのね?
わかるけど、バレたら大変よ?

「いえ、ですが。ついさっき会ったばかりなのですよ?すぐ信用は出来ないでしょう?」

まぁ、確かに。さっきあったばかりの人間を隣の部屋に置こうなんて、不用心にも程がある。
子供だからかもしれないけど、王族としてはもっと警戒してもいいわよね?
そんな、エスコルピオの正論に、またレーヴェが返した。
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