人生の続きを聖女として始めます
「わぁ!ジュリ様すごい!それに、解き方が斬新ですね!こんな解き方、僕初めて見ましたっ!」

レーヴェの目が、ヒーローを見るように煌めいた。
うん、イヤな気はしない……けど、あまりにも大袈裟で少し微妙。

「そ、そうかな?レーヴェの役に立ったのなら良かったけど……」

「とても勉強になりました!ジュリ様の解き方なら他の問題も出来る気がします。エスコルピオに聞いても全然わからないって言うし……」

「…………はぁ……すみません……」

レーヴェの言葉に、後ろで見ていたエスコルピオは呟いた。
聖女にレーヴェの尊敬を奪われっぱなしの彼は、鉄仮面の上からでもわかるほどに落ち込んでいる。

「レーヴェ。ダメですよ?人には得意不得意があるんです。計算や勉強が得意な人もいれば、剣や弓が得意な人もいる。だから、これが出来ないからといってそれだけで人を判断しては、ね?」

「おいっ!殿下に意見などっ!無礼な!」

エスコルピオはグイッと私の肩を掴み、後ろに押した。
だけど、そのエスコルピオの手を小さなレーヴェの手が止めた。
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