人生の続きを聖女として始めます
「お茶を貰える?エスコルピオ。シュミザ公国の一番いい茶葉でミルクティがいいな」
「はっ、はい。少々お待ちを!」
エスコルピオはいそいそと部屋の隅にあるティーセットへと移動した。
そして……なんということでしょう、カチャカチャと忙しそうにお茶の準備を始めたのであるっ!
その絵面のおかしいことといったらない。
いかつい鉄仮面が、慣れた手付きで茶を淹れる……。
この異常事態に私は突っ込まずにはいられなかった!
「レーヴェ!!あれは何!?」
ほら、あれ!とエスコルピオを指差した。
「え?えーと、エスコルピオですか?」
「いやいやいや、そうじゃなくて。なぜ護衛騎士がお茶を淹れるの?おかしくない?え?侍女とかいないの?」
「侍女?あー、僕の身の回りには侍女はいたことありません。父上様がエスコルピオしか側に置かなかったので、お茶などは全部エスコルピオが準備してくれました」
「そうなの?それにしても……なんか怖いわね……」
私はエスコルピオの背中を見つめた。
うーん、なんというギャップ。
例えるなら、強面の極道が家に帰ると愛妻家で嫁の為に家事をする。
そんな感じかな。
程なくお茶の準備を済ませたエスコルピオは、ワゴンテーブルを押しながらこちらにゆっくりとやって来た。
「お待たせしました。ミルクティ、ミルク多めでございます」
そう言うと、音も立てずにレーヴェの前にカップを置いた。
……慣れているにも程がある。
ここまで流れるようにされると、もう職業だったんじゃないかと勘繰るわよ?
そして、目を丸くして見ていた私の前にも同じものを置き、一歩下がってゆっくりと頭を下げた。
「はっ、はい。少々お待ちを!」
エスコルピオはいそいそと部屋の隅にあるティーセットへと移動した。
そして……なんということでしょう、カチャカチャと忙しそうにお茶の準備を始めたのであるっ!
その絵面のおかしいことといったらない。
いかつい鉄仮面が、慣れた手付きで茶を淹れる……。
この異常事態に私は突っ込まずにはいられなかった!
「レーヴェ!!あれは何!?」
ほら、あれ!とエスコルピオを指差した。
「え?えーと、エスコルピオですか?」
「いやいやいや、そうじゃなくて。なぜ護衛騎士がお茶を淹れるの?おかしくない?え?侍女とかいないの?」
「侍女?あー、僕の身の回りには侍女はいたことありません。父上様がエスコルピオしか側に置かなかったので、お茶などは全部エスコルピオが準備してくれました」
「そうなの?それにしても……なんか怖いわね……」
私はエスコルピオの背中を見つめた。
うーん、なんというギャップ。
例えるなら、強面の極道が家に帰ると愛妻家で嫁の為に家事をする。
そんな感じかな。
程なくお茶の準備を済ませたエスコルピオは、ワゴンテーブルを押しながらこちらにゆっくりとやって来た。
「お待たせしました。ミルクティ、ミルク多めでございます」
そう言うと、音も立てずにレーヴェの前にカップを置いた。
……慣れているにも程がある。
ここまで流れるようにされると、もう職業だったんじゃないかと勘繰るわよ?
そして、目を丸くして見ていた私の前にも同じものを置き、一歩下がってゆっくりと頭を下げた。