人生の続きを聖女として始めます
「……大丈夫よ、レーヴェ。怖いことはもうないから。ゆっくりお休み……」
そう声をかけ涙をふいてやると、目を閉じたまま微笑んだレーヴェが、譫言のように呟いた。
「はい……お母様……」
小さな手で、ぎゅーっと私の服を掴み、離すまいとするところ……あの頃のレーヴェもそうだったなと思い出して泣きそうになった。
今夜はこのままレーヴェの側にいたい……。
そう思い、エスコルピオを探した。
お許しを貰わないと後が怖いからね。
だけど、振り返っても見回しても、部屋には誰もいなかった。
どういうこと!?
護衛騎士が、こんな時側を離れるなんてあり得ないのでは!?
……と、一瞬腹が立ったけど、レーヴェとの大切な時間を他人に邪魔されたくはないと思う自分もいて、不問にすることにした。
月明かりの下、寝息を立てるレーヴェを寝台に横たえる。
そのすぐ隣に寄り添って寝転がると、不意にラ・ロイエの特別室でのことが頭に浮かんだ。
レグルスとレーヴェと3人、川の字になってお昼寝したっけ。
懐かしい過去に思いを馳せ、私はレーヴェのトクントクンという心音を感じながら目を閉じた。
部屋の扉の向こうで、声を殺して泣く誰かには気付きもせずに。
そう声をかけ涙をふいてやると、目を閉じたまま微笑んだレーヴェが、譫言のように呟いた。
「はい……お母様……」
小さな手で、ぎゅーっと私の服を掴み、離すまいとするところ……あの頃のレーヴェもそうだったなと思い出して泣きそうになった。
今夜はこのままレーヴェの側にいたい……。
そう思い、エスコルピオを探した。
お許しを貰わないと後が怖いからね。
だけど、振り返っても見回しても、部屋には誰もいなかった。
どういうこと!?
護衛騎士が、こんな時側を離れるなんてあり得ないのでは!?
……と、一瞬腹が立ったけど、レーヴェとの大切な時間を他人に邪魔されたくはないと思う自分もいて、不問にすることにした。
月明かりの下、寝息を立てるレーヴェを寝台に横たえる。
そのすぐ隣に寄り添って寝転がると、不意にラ・ロイエの特別室でのことが頭に浮かんだ。
レグルスとレーヴェと3人、川の字になってお昼寝したっけ。
懐かしい過去に思いを馳せ、私はレーヴェのトクントクンという心音を感じながら目を閉じた。
部屋の扉の向こうで、声を殺して泣く誰かには気付きもせずに。