人生の続きを聖女として始めます
「はははっ!レーヴェ殿下、的まで飛ばすとは優秀だな!さすが獅子王の子よ!」
私が口を開こうとしたとき、入り口から雄々しく透き通る声が聞こえた。
目を向けるとそこにいたのは、背筋をピンと伸ばした男装の女性。
年の頃は40くらい、白髪のショートボブに、近衛の着る隊服を纏い、理知的な緑の瞳が印象的な麗人だ。
「ガブリエラ!」
レーヴェにそう呼ばれた麗人は、ツカツカと私達の元にやって来て、まず私に深く頭を下げた。
「挨拶が遅れまして、申し訳ございません。私、エルナダ国、国務大臣をしておりますガブリエラ・ヒューイットと申します。聖女ジュリ様、ようこそエルナダへ!」
ガブリエラはそう言うと、スマートに私の手に口付けた。
「こっ、こんにちは!ジュリです」
美しき麗人ガブリエラに翻弄される私は、挙動不審になりながらどうにか挨拶を返した。
にっこりと微笑んだガブリエラは、次にレーヴェの側に跪き顔を見つめながらゆっくりと語った。
「殿下の今持っている弓、それはルリオン陛下が幼少の時、使っていたものなのですよ?」
「え、そうなの?」
「はい。私はその頃から陛下を見ていましたが、レーヴェ様はルリオン陛下よりも弓の扱いが上手い!陛下は的に届きもしなかったのですから」
「ほんと!?」
「ええ!本当でございます」
レーヴェは破顔し、振り向いて私を見た。
私が口を開こうとしたとき、入り口から雄々しく透き通る声が聞こえた。
目を向けるとそこにいたのは、背筋をピンと伸ばした男装の女性。
年の頃は40くらい、白髪のショートボブに、近衛の着る隊服を纏い、理知的な緑の瞳が印象的な麗人だ。
「ガブリエラ!」
レーヴェにそう呼ばれた麗人は、ツカツカと私達の元にやって来て、まず私に深く頭を下げた。
「挨拶が遅れまして、申し訳ございません。私、エルナダ国、国務大臣をしておりますガブリエラ・ヒューイットと申します。聖女ジュリ様、ようこそエルナダへ!」
ガブリエラはそう言うと、スマートに私の手に口付けた。
「こっ、こんにちは!ジュリです」
美しき麗人ガブリエラに翻弄される私は、挙動不審になりながらどうにか挨拶を返した。
にっこりと微笑んだガブリエラは、次にレーヴェの側に跪き顔を見つめながらゆっくりと語った。
「殿下の今持っている弓、それはルリオン陛下が幼少の時、使っていたものなのですよ?」
「え、そうなの?」
「はい。私はその頃から陛下を見ていましたが、レーヴェ様はルリオン陛下よりも弓の扱いが上手い!陛下は的に届きもしなかったのですから」
「ほんと!?」
「ええ!本当でございます」
レーヴェは破顔し、振り向いて私を見た。