人生の続きを聖女として始めます
「ヒューイット閣下!!」
練習場の外にいた近衛兵が、ガブリエラに敬礼しながら飛び込んできた。
「何事か?」
「はっ!獅子王陛下が御帰還なされました」
「……そうか。今回は早いな……」
ガブリエラは親指に顎を乗せ、暫く考え込み、やがて考えが纏まったのか、私とレーヴェに言った。
「殿下、ジュリ様。獅子王陛下が早く帰還したのは、きっと聖女降臨の件だと思われます。今から私は陛下とジュリ様の謁見の場を整えなくてはなりませんので失礼しますが、後程また会えましょう」
「謁見……ですか……」
気が重そうな私に、ガブリエラはそっと近寄ると両手をぎゅっと握り込んだ。
「気が乗らないのはわかります。ですが……」
そう言って、レーヴェを見た。
彼は私の服の裾をギュッと掴み、不安そうな顔で見上げている。
「そうね。うん。レーヴェのためにも獅子王には会わないとね」
レーヴェの頭を優しく撫でながら、私は覚悟を決めた。
ルリオンは気に入らないけど、レーヴェの側にいるには彼に会わなければ始まらない。
どんな立場になるかはルリオン次第だ。
でも、レーヴェと共に過ごせる環境は絶対に確保しなくては!
「では、ジュリ様、殿下。後程」
安心したガブリエラは、柔らかく微笑みながら練習場を後にした。
私達も何か準備をしなくてはいけないのかな?
そう尋ねるべくエスコルピオを振り返ると、彼は口をヘの字に歪め何かを考えているようだった。
それは、いつも冷静な彼とは違い、若干の恐れが混じったものであった。
練習場の外にいた近衛兵が、ガブリエラに敬礼しながら飛び込んできた。
「何事か?」
「はっ!獅子王陛下が御帰還なされました」
「……そうか。今回は早いな……」
ガブリエラは親指に顎を乗せ、暫く考え込み、やがて考えが纏まったのか、私とレーヴェに言った。
「殿下、ジュリ様。獅子王陛下が早く帰還したのは、きっと聖女降臨の件だと思われます。今から私は陛下とジュリ様の謁見の場を整えなくてはなりませんので失礼しますが、後程また会えましょう」
「謁見……ですか……」
気が重そうな私に、ガブリエラはそっと近寄ると両手をぎゅっと握り込んだ。
「気が乗らないのはわかります。ですが……」
そう言って、レーヴェを見た。
彼は私の服の裾をギュッと掴み、不安そうな顔で見上げている。
「そうね。うん。レーヴェのためにも獅子王には会わないとね」
レーヴェの頭を優しく撫でながら、私は覚悟を決めた。
ルリオンは気に入らないけど、レーヴェの側にいるには彼に会わなければ始まらない。
どんな立場になるかはルリオン次第だ。
でも、レーヴェと共に過ごせる環境は絶対に確保しなくては!
「では、ジュリ様、殿下。後程」
安心したガブリエラは、柔らかく微笑みながら練習場を後にした。
私達も何か準備をしなくてはいけないのかな?
そう尋ねるべくエスコルピオを振り返ると、彼は口をヘの字に歪め何かを考えているようだった。
それは、いつも冷静な彼とは違い、若干の恐れが混じったものであった。