人生の続きを聖女として始めます
帰還(獅子王)
国境沿いのハーバルを後にし、我がエルナダ軍隊は3日かけて王都へと到着した。
獅子を象った大門を潜り、オレは先頭を馬で駆けながら、どうしようもない怒りを胸の内で燻らせている。
今回こそは裏切り者バートラムの首を取る筈だった。
5年間の蓄積した怨みをここではらそうと思っていたが、バートラムは既に国境を越えていて、すんでのところで取り逃がしてしまった。
あと少しだ!
あと少しで手が届いたものを、またオレは後手に回ってしまったのだ。
あの時と同じ様に……。
それと同時に、王宮のエスコルピオに出した命令の完了報告が届かないことが更にオレをイラつかせた。
ハーバルで暫く待ってみたが、何の音沙汰もない。
まさか、あの忠実なエスコルピオが、たかが女の暗殺に失敗するはずはないし、オレの命令に背くことも考えられない。
どうせ使者を出し忘れたか、任務があっけなさ過ぎて報告を忘れているのだろう。
そう思い込み、イライラを押さえ込もうとした。
獅子を象った大門を潜り、オレは先頭を馬で駆けながら、どうしようもない怒りを胸の内で燻らせている。
今回こそは裏切り者バートラムの首を取る筈だった。
5年間の蓄積した怨みをここではらそうと思っていたが、バートラムは既に国境を越えていて、すんでのところで取り逃がしてしまった。
あと少しだ!
あと少しで手が届いたものを、またオレは後手に回ってしまったのだ。
あの時と同じ様に……。
それと同時に、王宮のエスコルピオに出した命令の完了報告が届かないことが更にオレをイラつかせた。
ハーバルで暫く待ってみたが、何の音沙汰もない。
まさか、あの忠実なエスコルピオが、たかが女の暗殺に失敗するはずはないし、オレの命令に背くことも考えられない。
どうせ使者を出し忘れたか、任務があっけなさ過ぎて報告を忘れているのだろう。
そう思い込み、イライラを押さえ込もうとした。