人生の続きを聖女として始めます
ビクトリアは獅子王から離れ、こちらに一歩踏み出し拳を振り上げた。
するとサッと後ろから出たエスコルピオがその腕を捉え、ぐっと握ってギリギリと絞めた。
「いた……痛いっ!痛いわ!!」
「エスコルピオ!?」
そう叫んだのは獅子王だった。
彼は信じられないという驚きの表情をして、エスコルピオを凝視したが、当のエスコルピオはその声が聞こえていないように、ビクトリアを睨み続けた。
「エスコルピオ、ありがとう。あの、レーヴェも私も大丈夫よ?」
私が声をかけると、彼は言葉もなくビクトリアから手を離し、元の位置に収まった。
そして、辺りはまた静寂に包まれた。
「えーと……さて、そろそろレーヴェの寝る時間なので、下がらせてもらおうと思いますが……」
静寂にいたたまれず、ガブリエラを上目遣いで見て助けを求めた。
「ああ!そうだね。それがいい。いいですね?陛下?」
ガブリエラは獅子王に返答を求めた。
「……ああ」
「陛下!?どうして!?この不届者を罰しませんと……」
ビクトリアはグッと獅子王に近付いた。
しかし、獅子王はそれをイヤそうに押し退けて怖い顔をして言った。
「聖女は神殿部にまかせる……」
「はい。仰せのままに」
リブラが言い、即座に私の手を取って退出の意志を示した。
少し強引なリブラに連れられて、私とレーヴェとエスコルピオは3人連なってそそくさと大広間を出た。
その後ろでガブリエラが「また明日ねー!」と明るく叫んでいたけど、怖くて振り向くことが出来なかった。
するとサッと後ろから出たエスコルピオがその腕を捉え、ぐっと握ってギリギリと絞めた。
「いた……痛いっ!痛いわ!!」
「エスコルピオ!?」
そう叫んだのは獅子王だった。
彼は信じられないという驚きの表情をして、エスコルピオを凝視したが、当のエスコルピオはその声が聞こえていないように、ビクトリアを睨み続けた。
「エスコルピオ、ありがとう。あの、レーヴェも私も大丈夫よ?」
私が声をかけると、彼は言葉もなくビクトリアから手を離し、元の位置に収まった。
そして、辺りはまた静寂に包まれた。
「えーと……さて、そろそろレーヴェの寝る時間なので、下がらせてもらおうと思いますが……」
静寂にいたたまれず、ガブリエラを上目遣いで見て助けを求めた。
「ああ!そうだね。それがいい。いいですね?陛下?」
ガブリエラは獅子王に返答を求めた。
「……ああ」
「陛下!?どうして!?この不届者を罰しませんと……」
ビクトリアはグッと獅子王に近付いた。
しかし、獅子王はそれをイヤそうに押し退けて怖い顔をして言った。
「聖女は神殿部にまかせる……」
「はい。仰せのままに」
リブラが言い、即座に私の手を取って退出の意志を示した。
少し強引なリブラに連れられて、私とレーヴェとエスコルピオは3人連なってそそくさと大広間を出た。
その後ろでガブリエラが「また明日ねー!」と明るく叫んでいたけど、怖くて振り向くことが出来なかった。