人生の続きを聖女として始めます
「それでは、先日のバートラムの件について……」

進行役はドレイクだ。
彼は机に置かれた大きな地図を指し立ち上がった。

「ハーバルで間者から報告を受けたところ、ヤツは既にここ、北東のレイルドの地方都市へと向かったらしいのだが……」

「それも、確かではないだろうな」

ロシュは足を組み直し、ドレイクの言葉の続きを言った。

「狡猾だな。そして、用心深い。結局5年もの間あやつに踊らされ続けているだろ。もうそんなわけにはいかないぞ」

私の横並びに座るガブリエラが、美しい額にシワを作りながら言うと、真正面の獅子王が怒りを隠さずに拳を机に打ち付けた。

「忌々しい!!ヤツの人脈を侮っていた結果だな!ガブリエラ、早速昨日言っていたように各国への間者を増やせ。国境もな!」

「ええ、すぐに」

「ロシュ、次の情報が入るまで、武器や武具の修繕、鍛練をしておけよ」

「もちろんです。いつでも出れるようにしておきます」

獅子王はガブリエラとロシュに命令すると、次はドレイクを見た。

「さて、ドレイク。何故役に立たない聖女を連れてきたのか聞こうか?」

ほら、来た。
当然来るだろう展開に、私の心臓は跳ね上がった。
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