人生の続きを聖女として始めます
「大丈夫。負けませんから」
驚いた顔のガブリエラは、じっと私の目を見つめ、自信のほどを感じとるといつもの余裕を取り戻した。
「仕方ありませんね。では、サウザー卿、チェス盤の用意をお願いします」
「かしこまりました」
ドレイクは予め用意していたように、スムーズにチェス盤を出し、ロシュも即座に駒を出す。
私はロシュが座っていた椅子に促され、必然と獅子王との距離が近付いた。
膝が触れそうな距離で見ると、獅子王とレグルスは気持ちが悪いくらい瓜二つだった。
あの頃長かった髪を短くして、優しさに満ちた目を好戦的にすれば、彼はレグルスそのもの。
あまりの近さと、緊張感で気持ちが全然落ち着かない私の向こうで、心なしか、獅子王もそわそわして落ち着きがないように見えた。
嫌いな女と近い距離にいるから?
少なくとも、彼のそわそわする理由は私とは真逆なんだろう。
そう思ったらチクンと何かが胸に刺さった。
二卵性の双子だったら……少しは冷静になれたのに。
近い距離に馴染めず、私はひたすらチェス盤を眺めていた。
「それでは、陛下が黒。ジュリ様が白。始め!」
ドレイクの声に私は一気に現実に引き戻され、戦闘態勢に入った。
驚いた顔のガブリエラは、じっと私の目を見つめ、自信のほどを感じとるといつもの余裕を取り戻した。
「仕方ありませんね。では、サウザー卿、チェス盤の用意をお願いします」
「かしこまりました」
ドレイクは予め用意していたように、スムーズにチェス盤を出し、ロシュも即座に駒を出す。
私はロシュが座っていた椅子に促され、必然と獅子王との距離が近付いた。
膝が触れそうな距離で見ると、獅子王とレグルスは気持ちが悪いくらい瓜二つだった。
あの頃長かった髪を短くして、優しさに満ちた目を好戦的にすれば、彼はレグルスそのもの。
あまりの近さと、緊張感で気持ちが全然落ち着かない私の向こうで、心なしか、獅子王もそわそわして落ち着きがないように見えた。
嫌いな女と近い距離にいるから?
少なくとも、彼のそわそわする理由は私とは真逆なんだろう。
そう思ったらチクンと何かが胸に刺さった。
二卵性の双子だったら……少しは冷静になれたのに。
近い距離に馴染めず、私はひたすらチェス盤を眺めていた。
「それでは、陛下が黒。ジュリ様が白。始め!」
ドレイクの声に私は一気に現実に引き戻され、戦闘態勢に入った。