人生の続きを聖女として始めます
集中力を必要とするものが私は得意である。
現代では、悪夢から逃げるためアーチェリーで集中力を磨いた。
結果、のめり込むと物音も聞こえないくらいの集中力を身につけることが出来ていて、それは今、大いに役に立っている。
私は少し邪魔になった髪を耳にかけると、獅子王を追い詰める為に姿勢を正した。
「…………ビショップをここに……」
「う……そうくるか……待て、それは……」
獅子王はちょっと慌てていた。
たぶん、ここまでやり込められると思わなかったんだろう。
最初は余裕で腕を組んでいたけど、今は片手で口を覆い、チェス盤とにらめっこをしている。
「待ちませんよ?」
私は集中を切らさないように淡白に答えた。
それにしても、一体何通りの手筋を覚えていたのか。
私(マデリン)の記憶力は桁外れだった。
こちらの世界に来てから思い出したことだけど、ロシュとドレイクの対戦の全てを覚えていたらしい。
あの頃、自分ではただの田舎娘だと思いこんでいて、こんな特技があるなんて考えてもみなかった。
覚えた中の手筋と、相手の手筋を照らし合わせ、その時一番有効な一手を指す。
まるでチェスのAIが回答を弾き出すように、私はサクサクと獅子王を追い詰めた。
現代では、悪夢から逃げるためアーチェリーで集中力を磨いた。
結果、のめり込むと物音も聞こえないくらいの集中力を身につけることが出来ていて、それは今、大いに役に立っている。
私は少し邪魔になった髪を耳にかけると、獅子王を追い詰める為に姿勢を正した。
「…………ビショップをここに……」
「う……そうくるか……待て、それは……」
獅子王はちょっと慌てていた。
たぶん、ここまでやり込められると思わなかったんだろう。
最初は余裕で腕を組んでいたけど、今は片手で口を覆い、チェス盤とにらめっこをしている。
「待ちませんよ?」
私は集中を切らさないように淡白に答えた。
それにしても、一体何通りの手筋を覚えていたのか。
私(マデリン)の記憶力は桁外れだった。
こちらの世界に来てから思い出したことだけど、ロシュとドレイクの対戦の全てを覚えていたらしい。
あの頃、自分ではただの田舎娘だと思いこんでいて、こんな特技があるなんて考えてもみなかった。
覚えた中の手筋と、相手の手筋を照らし合わせ、その時一番有効な一手を指す。
まるでチェスのAIが回答を弾き出すように、私はサクサクと獅子王を追い詰めた。