嫁入り契約~御曹司は新妻を独占したい~
「参ったな。この状況で煽んないでくれる?」
「へ?」
「それってなんだか、告白されてるように聞こえるけど。ずっと俺のことで頭がいっぱいだったって……」


外方を向き、ハッと我に返ったように続ける。


「って。なんか自惚れてるヤバい奴みたいだな」


私はなにも答えられず、ただ毛布を引き上げて顔を半分隠した。

たしかに言われた通り、告白したみたいで急激に恥ずかしくなったのだ。


「そういう発言は今後気をつけないと。男は勘違いするから」


体を離した薫さんはふっと微笑むと、顔全体を赤く染めた私の頭頂部を緩やかに手のひらで撫でた。




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