嫁入り契約~御曹司は新妻を独占したい~
第6章
【第6話】
窓の外には夜景が広がっている。
まるで都会のビル街自体が水面で、太陽みたいな大きな光が一面にキラキラと反射してるようだった。
きらびやかな光の粒ひとつひとつを手のひらですくって、引き出しにでも大切に仕舞って置けたらいいのに。
「そうしたら、薫さんに見せられるのにな」
薫さんはもう何日も、まともに帰ってこない日が続いている。
社長直々に携わっている肝いりの新商品開発と、周年記念パーティーの準備で多忙な日々を送っていた。
お陰で広すぎる部屋でひとりの夜を過ごすのにもだいぶ慣れてきた。
目の前に広がる光景はこんなにも美しく、心を洗ってくれるのに。
幸せ……とはほど遠い。
ひとりだからこそ、毎晩考えすぎてしまう。
こんな気持ちで、本当に結婚していいのだろうか、って。
お父様は病床に伏しながらも櫻葉グループの未来を案じているようだった。
でも、私は薫さんを拒んでしまって……。
薫さんはどうして、こんな私に見切りをつけないのだろう?
毎日毎日、同じことを思い詰めてばかりいる。
「__ただいま」
玄関の方で声がして、開閉音とともにこちらに近づいてくる足音が聞こえた。
「お、おかえりなさい」
私は慌てて身なりを確認すると、パッと顔を上げてリビングに入ってきた薫さんを見た。
遅くまで働いていた相手をパジャマ姿で迎えるのは、なんだが気が咎める。
「起きてたんだ。先に休んでてもいいのに」
カウンターの置かれたデジタル時計の時刻は、午前二時四十分。
一度は自室のベッドに入りはしたんだけど、眠れずにただ寝返りばかり打っていて、仕方なくお水を飲みにリビングに来たところだった。
窓の外には夜景が広がっている。
まるで都会のビル街自体が水面で、太陽みたいな大きな光が一面にキラキラと反射してるようだった。
きらびやかな光の粒ひとつひとつを手のひらですくって、引き出しにでも大切に仕舞って置けたらいいのに。
「そうしたら、薫さんに見せられるのにな」
薫さんはもう何日も、まともに帰ってこない日が続いている。
社長直々に携わっている肝いりの新商品開発と、周年記念パーティーの準備で多忙な日々を送っていた。
お陰で広すぎる部屋でひとりの夜を過ごすのにもだいぶ慣れてきた。
目の前に広がる光景はこんなにも美しく、心を洗ってくれるのに。
幸せ……とはほど遠い。
ひとりだからこそ、毎晩考えすぎてしまう。
こんな気持ちで、本当に結婚していいのだろうか、って。
お父様は病床に伏しながらも櫻葉グループの未来を案じているようだった。
でも、私は薫さんを拒んでしまって……。
薫さんはどうして、こんな私に見切りをつけないのだろう?
毎日毎日、同じことを思い詰めてばかりいる。
「__ただいま」
玄関の方で声がして、開閉音とともにこちらに近づいてくる足音が聞こえた。
「お、おかえりなさい」
私は慌てて身なりを確認すると、パッと顔を上げてリビングに入ってきた薫さんを見た。
遅くまで働いていた相手をパジャマ姿で迎えるのは、なんだが気が咎める。
「起きてたんだ。先に休んでてもいいのに」
カウンターの置かれたデジタル時計の時刻は、午前二時四十分。
一度は自室のベッドに入りはしたんだけど、眠れずにただ寝返りばかり打っていて、仕方なくお水を飲みにリビングに来たところだった。