ポルターガイスト~封じられた扉~
☆☆☆

その雑誌に書かれている内容は、ネットで調べても出てこないようなものばかりだった。


家族の構図や、宝来家に使えるお手伝いさんの名前。


飼っていたインコのことまで事細かに記載されている。


「宝来家が関わっていた企業に関しては書いてないんですね?」


途中まで読み進めてから、あたしは聞いた。


「あぁ。そういうことはちょっと調べればすぐに出て来るからね。その雑誌で僕が書いたのは宝来家の内側だ」


「そんなことを、どうして調べる事ができたんですか?」


元浩が首をかしげている。


「そこに出ているお手伝いさんがいるだろう? その女性は、のちに僕の奥さんになったんだ。その記事を書いた時にはもう付き合っていた」


岩谷さんは当時を懐かしむように目を細めて答えた。


それならいくらでも宝来家の内部情報を得る事ができただろう。


最も、家政婦としては失格だけれど。
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